insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力を読みました

画像出典:UnsplashSigmundが撮影した写真

insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力を読みました。

amazonかXかをみていた時にたまたま目に止まって購入しました。自分のことはわかっているつもりでも、やはり正しく自分を認識するというのは難しいもので、自己認識について学びを得るために読んでみました。500ページ以上のボリューミーな本でしたが、意外とすんなり読み進めることができました。

特に学びがあった部分についてメモ。

自己認識とは自分自身のことを明確に理解する力 - 自分とは何者であり、他人からどう見られ、いかに世界へ適合しているかを理解する能力だ

と著者のターシャ・ユーリック氏はまとめていてわかりやすくまとめられた一文だと思いました。 また、著者は自己認識を内的自己認識と外的自己認識の2種類に分けています。

  • 内的自己認識: 自分の価値観、情熱、野望、理想とする環境、行動や思考のパターン、リアクション、そして他者への影響に対する内的な理解
  • 外的自己認識: 周りが自分をどう見ているかを知る力

そしてこの2つにはそう関係がないというところも面白いポイントでした。つまり内的自己認識ができる人でも外的自己認識ができるわけでは必ずしもないということです。

また、最近の自尊心を持つように促される社会では、”自分が考える自分と、他人が見る自分の差が大きくなっている”という点も納得感がありました。関連エピソードとして紹介されているものとして、第4章 自分教というカルトでフィールグッド効果というのが記載されています。フィールグッド効果とは自分自身の本当のスキルや能力を見えなくしてしまうというものです。

2001年にはハーバード大学の91%もの学生が優等で卒業しており、2013年にはすべての成績づけのうち少なくとも半分がAだった。

自分の欠点を見ないでいると失敗につながるということのようです。 ただし、絶え間なく挑戦を続けてきて気力を養う必要がある時や、粘り強く続ければ成功できる場合は、フィールグッド校がが役にたつとのことです。

自己陶酔から自己認識へという節では、謙虚さを養うことの大切さが説明されています。謙虚さとは、自分の弱点を理解し、正しいあり方から目を逸らさないことであり、自己認識にとって不可欠な要素とのことです。

第2部内的自己認識で面白かったのは、内省と自己認識の関係でした。自分について考えるという行為は自分について知ることに関係がなかったとのこと。これは、内省自体に効果がないのではなく、多くの人が全く間違った形で実践しているというところが問題のようです。

特に内的自己認識においては、「なぜ」ではなく「何」を問うというところは新しい発見がありました。内的自己認識に関しては、「なぜ」の質問はネガティブな感情を引き起こし、「何」の質問はより好奇心を引き出してくれるということで、「なぜ」という問いは基本的に自分の周りを理解する際に役立ち、「何」という問いは基本的に自分を理解する際に役立つとのことです。

確かに、なぜ自分はそう考えるのか、行動したのか、内省する時になぜを考え始めるとネガティブな思考によりがちかなというのは感じるところもあり、しっくりくるところが多かったです。

第3部外的自己認識では、いかに他者からのフィードバックを得るか、またそれを受け入れるかというところに焦点があてられています。フィードバックを受け止め、向き合い、そして行動に移すことが大切です。

最後は個人だけでなくチームとしての自己認識を持つにはという話がありました。こちらは他の本でも一般的に語られている良いチームを作るにはどうするか、というような内容に近かったかなと思いました。

つい内省してしまったりフィードバックについて向き合う勇気が持てない時もありますが、自己認識を高めていきたいと思います。

読書 自己認識


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