This post was originally posted in Medium at 01/15 2016.
UXデザインを志すものとして、読まなければならない本だと思い、購入。
デザインに関して読んだ本の中で、最も印象に残る本だった。
デザイン、デザイナーとは何かからはじまり、よいデザインとは何か、なぜ良いデザインが必要で、悪いデザインが多いのか。
デザインに関する疑問を、ひとつひとつの章で丁寧に説明している。
また、歴史的背景などにも触れており、近代史の中でデザインがどう考えられてきたか、理解できる本だった。
アーツアンドクラフト運動のウィリアムモリスの言葉
よいデザインとは役に立ち、美しい。
また、プラトンの言葉
すべての製造物、生物、行動の美徳、美しさと正しさは、それが作られた目的との関係においてのみ評価される
紀元前390年に、この言葉を残しているプラトンに関しては、もはや圧倒的である。
デザインとは、
機知や創意工夫で、一連の思考や行動に様々な異なる解釈を与えること
であり、
何かをやろうとして頭の中に構想した計画や方法、行動によって実行されらアイデアの予備的な概念 である。
近年は、インターネットの普及、情報量から、個人を表現する欲求が重要になってきている。
工業化によって標準化された時代から、古来のカスタマイズ可能な時代へ。
デザインという文脈では、アプリやメイカーブームは、まさに個人の表現の欲求だと思うし、それがスマートフォンや3Dプリンタによって可能になっている。
みながデザインできる時代に、プロのデザイナが求められることとしては、経験に基づく洞察力や独創性、機知であると書かれている。
このあたりは、いかにチームをデザインプロセスに巻き込むかといったところや、プロダクトやサービス全体をデザインできるかといった視点になるのだろう。
また、企業や経営者のデザインに対する理解も、よいデザインとだめなデザインを分けるポイントだと書かれていて、例としてウェッジウッド、トーネット、ブラウン、アップルが挙げられている。
企業での活動において、まさにここが肝なのだと思っている。
トップがプロダクトに対して情熱を持ち、それがどう使われるのかを本当に理解していないかぎり、本当に素晴らしいと思えるデザイン、ユーザーエクスペリエンスは作れないのだなと感じる。
神は細部に宿るなどいうが、全体としてのデザインも重要ながら、マイクラインタラクションレベルでの完璧さまで考えられるかどうかがこのあたりの差に現れると思っている。
この本は、デザインを理解する上で本当に良い本だった。
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